小樽芸術村 OTARU ART BASE

お知らせ

2021/09/04

【今週の1点】斎藤清《舞妓 京都(K)》

先週に引き続き、旧三井銀行小樽支店で開催中の企画展「斎藤清 版画展」に出品中の作品をご紹介します。

斎藤清《舞妓 京都(K)》1961
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 1951年のサンパウロ・ビエンナーレ展受賞以降、国内外に活躍の場を拡げていった斎藤。外国人との交流の中からヒントを得て、京都や奈良など、日本の古都に取材した作品の制作に取り組むようになります。

 「舞妓」も、当時くり返し描かれた題材のひとつ。すっと背筋を伸ばした舞妓の姿が、要約されたかたちと多様な技法により表現されています。たとえば、背景の障子の部分には雲母摺(きらずり)が施されており、ほのかな光沢があります。黒い着物は、マットな黒の地に艶のある黒の模様が重ねられています。

 外出もままならない時期ですが、展示室へお越しいただける場合は、ぜひぐっと近寄って、下から見上げたり、斜めからのぞき込んだりしてみてください。角度によって、障子がつやっとするのや、着物の柄がくっきり浮かび上がるのをご覧いただけます。(磯崎)

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