このたび、小樽芸術村に新たに3点の絵画作品、1点の木彫作品が収蔵されました。
今週からは、4週連続で1点ずつ新収蔵品をご紹介いたします。
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岸田劉生《弟辰弥の像》
1913年 油彩、キャンバス
劉生が自身の家族や友人・知人、自画像を盛んに描き、<岸田の首狩り>と称された時期の作品です。大胆な筆遣いながらも顔全体の細かな立体感が意識されており、ポスト印象派の影響を抜け出して緻密な写実に向かっていく過渡期にあたる作品であることがうかがえます。
本作で描かれているのは劉生の一つ下の弟、辰弥(たつや)。七男七女の兄弟の中で、年齢の近い劉生と辰弥は仲が良かったようで、劉生は最晩年にも辰弥の肖像画を残しています。(金澤)