現在、似鳥美術館で展示している円山応挙《卓文君》(4階展示室)と同じく応挙《双鶏ノ図》(3階ちっちゃこい展)はかつて造船王と呼ばれた川崎正蔵男爵の旧蔵品でした。
川崎男爵は、神戸・布引に日本で初めての私立美術館を設立し、自らが収集したコレクションを展示していました。
そのうちの一つ「長春閣」で、円山応挙の作品を展示・収蔵していたようです。
作品の収納箱や図録に掲載されている図版から、当館の所蔵となっている2点が川崎男爵のコレクションであったことがわかっています。
円山応挙は江戸時代中期に京都で活躍しました。存命中から今に至るまで、人気の高い絵師です。 「奇想の画家」が注目を集める昨今ですが、「奇想」ではない応挙の素直で朗らかな描写をぜひお楽しみください。