小樽芸術村 OTARU ART BASE

お知らせ

2023/09/16

博物館実習生に企画展「川瀬巴水と吉田博」を紹介してもらいました

小樽芸術村では、9月4日~9日にかけて博物館実習生の受け入れを行いました。

実習生には、6日間の実習の中で、作品の展示補助やコンディションレポートの作成、また館内の監視や講演会の受付業務など、多岐にわたる業務を体験してもらいました。

その中で、当館にてただいま開催中の企画展「川瀬巴水と吉田博 新収蔵作品を中心に」の紹介文を作成する、という課題に取り組んでもらいましたので、以下にご紹介いたします。

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【展示のみどころ】
おくのほそ道の序文に、「日々旅にして、旅を栖とす」という一節があるが、川瀬巴水と吉田博の二人もまさに旅人であり、旅先での数多くの風景画を残した版画家である。本展では、日本全国津々浦々、さらには海外まで、二人が手掛けた版画を集めた展覧会を開催する。これらの版画は制作から百年近くの年月が流れた今でも色褪せることなく、どこか詩的で、時として写真よりも情景がありありと伝わってくる。画家が見て感動したこと、伝えたかったことに思いを馳せてほしい。きっと誰もが懐かしい景色に出会えるはずである。

【おすすめ作品】
川瀬巴水の、青森の冬景色を描いた《日本風景集第一輯 東日本篇 弘前最勝院》を紹介したい。巴水は春夏秋冬、様々な風景版画を描いているが、雪景色は版画ととても相性が良い。吹雪いて遠くがぼやける様子が、版のかすれ具合でとても良く表現されている。常緑樹と赤い寺院の対比も美しい。同じ題材では《東京二十景 芝増上寺》があるが、東北の方がより冬が厳しい様子を比較できて楽しめるだろう。紙の白さを活かした淡い色と、はっきりとした色の両方が表現できるのは、版画ならではの良さであると思う。
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実習生のK.Sさん、素敵な紹介文をありがとうございました。

企画展「川瀬巴水と吉田博 新収蔵作品を中心に」は10月9日(月)まで開催しております。(※9月27日(水)のみ休館)
皆様のお越しを心よりお待ちしております。

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