似鳥美術館にて展示公開しております。

横山大観《山に因む十題 朝暉》 [81.2×117.2cm/紙本・彩色/額装/昭和15(1940)年作]
本作は、横山大観の《海山十題》と呼ばれる連作20点のうちの1点であり、
1940(昭和15)年に自らの画業50年と、皇紀2600年を記念した展覧会で発表されました。
「彩管報国(絵筆を採って国に尽くす)」を意図したこの連作は内覧会の時点で完売し、総売上金50万円は陸海軍に献納されたといいます。
《朝暉(ちょうき)》の「暉」は光や輝きの意で、画題は朝の光を意味します。
たらし込みの技法によって、山々と樹木、その周囲を満たす濃密な霧や清浄な空気が表され、
墨色の山々と冠雪した富士を結ぶように施された金泥は、その崇高さをいっそう際立たせています。
富士の秀麗な姿に日本の魂を象徴させた、大観71歳の傑作です。
小樽芸術村ではすでに、横山大観の《龍》《富士》などの作品を所蔵しており、
《山に因む十題 朝暉》が加わり、ますますコレクションが充実いたしました。
皆さまのお越しを心よりお待ちしております。