小樽芸術村 OTARU ART BASE

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2020/10/10

【今週の一点】岸田劉生《手》の裏面


岸田劉生《手》の裏面 1916年
油彩、板 25.3×20.0cm
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《手》の裏面には、果実を持つ蓁(しげる)の手を描いた未完の油彩画が残されています。
岸田劉生の1916(大正5)年4月21日の日記に記されている「蓁の手に、橙を持たして楕円形の板にざつとした写生した」(*1)は、この裏面のことだと考えられます。
その後おもて面が11月10日に完成していることから、初めは裏面の果実を持つ手の制作を進めていたものの途中で断念し、表面に新たに《手》を描いたと推測されます。
(*1)『岸田劉生全集 第五巻』岩波書店、1979年

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