小樽芸術村 OTARU ART BASE

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2020/11/28

【今週の1点】髙村光雲《聖徳太子像》

髙村光雲
1852(嘉永5)~1934(昭和9
《聖徳太子像》 昭和21927)年
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髙村光雲が仏師として独立した明治初期、伝統的な木彫は衰退期にありました。光雲は旧来の仏師然とした表現からの脱却を目指し、西洋絵画の写実性に注目します。西洋から輸入された印刷物を集め研究し、西洋絵画が写生を重要視しているのと同様に、木彫においても彫刻刀と鑿による実物写生を試みたといいます。
本作の牛の表現は、胴の部分は表面が滑らかに仕上げられ、短い毛で覆われつるりとした毛並みを思わせます。背骨からまっすぐにつながり突き出た尾の付け根は、牛の骨格の特徴がよく捉えられており、実物を熟視し制作した様子がうかがえます。(山田)

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