ガレ《アイリス文花器》1900年頃、被せガラス、マルケトリ
本作では、緑や黄緑、青、赤など様々な色のガラスによりアイリスの花が表現され、器体の黄土色のガラスとのコントラストが映える作品となっています。アイリスの花は、マルケトリ技法で表現されています。「マルケトリ」とは、家具や工芸品の制作で用いられる「象嵌(ぞうがん)細工(寄木細工)」を指しますが、ガレはこの技法をガラスに応用しました。加熱したガラスの表面に別のガラス片を貼り付け、再過熱して本体になじませて、あたかも象嵌細工のような効果を生み出したのです。(佐藤)