あたらしい年がはじまりました。本年もよろしくお願いいたします。
今年最初の「今週の1点」は、開催中のトピック展「福よ来い!吉祥のかたち」から、当館初公開の作品をご紹介します。
横山大観(1868~1958)
《寒竹》制作年不詳
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竹は、冬の厳しい寒さに耐え常緑を保つことから、めでたいもののしるしとされてきました。
また、その成長の早さから繁栄を意味するともいわれます。
寒竹は、艶のある竿が美しく、庭の添景や生垣に用いられることが多いタケの一種です。本作も庭先の風景でしょうか、竹や雀の様子から、風もなく穏やかな日であることがうかがえます。雀は細部まで描かれていますが、竹は竿と葉だけで、根や土は省略されています。すべての要素は色味の異なる金泥と墨のみで描写されており、簡潔でありながら華やかな作品です。(磯崎)