新しい年がはじまりました。
2022年最初の「今週の1点」は、似鳥美術館で開催中のトピック展「福よ来い!おめでたいかたち」出品作の中から、新年の景を描いた作品をご紹介します。
歌川 広重《名所江戸百景 山下町日比谷外さくら田》1857(安政4)年
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現在の銀座5丁目付近から、日比谷方面を見た図。
画面の左右に羽子板がのぞき、中央には羽根が飛んでいます。
画面には描かれていませんが、女の子たちが羽根突きをしているのでしょう。
空にはたくさんの凧があがっています。凧揚げと羽根突きは、江戸の正月に欠かせない風物詩でした。
画面中央に見える白い建物は、肥前佐賀藩の上屋敷です。
赤い立派な門の前には大きな門松が飾られています。
画面左下に大きく描かれている松の枝も、門松の葉の一部です。
その上には、雪化粧をした富士山も見えます。
正月らしい、縁起のよい風物が盛り込まれた作品です。(磯崎)