今週は、似鳥美術館地下1階の「アールヌーヴォー・アールデコ グラスギャラリー」に展示中の作品をご紹介します。
ガレ《菊文花器》
1880~1900年
ウランガラス、金・エナメル彩、カメオ彫
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19世紀末から20世紀初頭にかけてフランスで活躍した工芸家、エミール・ガレは、日本美術に取材した作品を多く制作しています。本作も、日本の絵画にみられるような大輪の菊がエナメル彩とカメオ彫りによってあらわされ、背景には白や青の斑紋や金によって華やかな装飾が施されています。
器体に用いられているウランガラスは、ごく微量のウランを含み、通常の照明では薄緑色に見えますが、紫外線を当てると蛍光緑色に輝きます。展示室では、通常のライトとブラックライトを交互に点灯させることで、その色彩の変化をご覧いただくことができます。(磯崎)