小樽芸術村 OTARU ART BASE

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2020/08/15

【今週の1点】ルネ・ラリック《つむじ風》


ルネ・ラリック(1860-1945) 《つむじ風》1926年 画像が表示されない場合はこちら

眼には見えない自然界の力やエネルギーをモチーフにした珍しい作品。時代を遡れば、イタリア・ルネサンス期の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが渦巻く水流を捉えたデッサンを残しているように、古くから芸術家たちの想像力を刺激する題材でもありました。本作品でも、多方向に枝分かれしながらも、大きくダイナミックに弧を描くラインが見る者の注意をまず引きます。見ているだけで眼が回るような錯覚に陥ります。風という不可視のモチーフを大胆な曲線模様で表現したラリックの卓越した造形力にはただ驚くばかり。風のモチーフを際立たせるため、ガラス器の表面を大きく掘り込み、艶消しに仕上げるという繊細な処理も本作の見どころと言えるでしょう。(佐藤)

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