ルネ・ラリック(1860-1945)《火の鳥》1922年 画像が表示されない場合はこちら
「火の鳥」の物語は古いロシア民話に由来しますが、20世紀初頭にロシア人興行師ディアギレフが立ち上げた「バレエ・リュス」(ロシア・バレエ団)の演目として、1910年にパリで上演されました。ちなみに作曲を担当したのは、現在放送中のNHK朝ドラ「エール」の主人公・古山裕一のモデル、作曲家・古関裕而が若き日に憧れていたロシアのストラヴィンスキーでした。ラリックの作品では、火の鳥は上半身が人間(女性)で下半身が鳥という、半人半鳥の姿で表現されています。体を大きくひねり、翼と尾を扇状に大きく広げたその躍動的な姿は、ロシア・バレエ団の舞台で火の鳥を演じた名花タマラ・カルサヴィナをイメージしたのかもしれません。(佐藤)
★ 本日より、当館学芸員が似鳥美術館のコレクションをご紹介する「今週の1点」を毎週土曜日に掲載いたします。