似鳥美術館2階で開催中のトピック展「福よ来い! おめでたいかたち」に出品中の作品をご紹介します。
下村観山(1873~1930)
《寿老》 制作年不詳
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下村観山は和歌山県に生まれ、狩野芳崖、橋本雅邦に師事した後、東京美術学校に学びました。
横山大観らとともに日本美術院の創設と再興に尽力し、古典絵画の研究に基づく格調高い作風で知られます。
寿老人は中国の伝説上の人物で、寿命を司る南極星の化身とされます。
日本では七福神の1柱で長寿を意味することから、新年の床の間などに飾るのにふさわしい画題とされてきました。
頭巾をかぶり、杖を持ち、牡鹿を連れ、そして、頭の長い滑稽味のある姿で描かれることが多いのですが、 本作では眼光鋭い風格ある佇まいが写実的に描かれています。(磯崎)
※ 2021年2月6日掲載の「今週の1点」を再掲いたしました