小樽芸術村 OTARU ART BASE

お知らせ

2021/02/20

【今週の1点】伊藤若冲《雪柳雄鶏図》

今日は雨の降る小樽から、雪中の風景を描いた作品をご紹介します。


伊藤若冲(1716~1800)
《雪柳雄鶏図》制作年不詳
画像が表示されない方はこちら

近年出現した若冲の初期作品。代表作《動植綵絵》(宮内庁三の丸尚蔵館蔵)に至る試みを示す、貴重な一幅です。

鶏冠のツブツブ、重なり合う羽の1枚1枚、うろこ状に連なる足のぼつぼつなどが、手触りすら感じられるほど緻密に描写され、庭に飼った鶏をつぶさに観察していたという若冲の執拗なほどのまなざしが感じられます。

雄鶏のポーズや雪の積もった柳の形状は、本願寺西山別院所蔵《雪中柳鷺図》に学んだ可能性が指摘されています。

ちなみに……
中国では、鶏冠の「鶏」と「吉」、「冠」と「官」の発音が近いことから、雄鶏は立身出世の象徴とされるのだとか。
本作は似鳥美術館4階で展示中。2階で開催中のトピック展「福よ来い!吉祥のかたち」とあわせてご覧ください。(磯崎)

PAGE TOP