北海道の多くの地域では、8月7日が七夕とされています。今週は、開催中の企画展「歌川広重 名所江戸百景」の出品作の中から、七夕の光景を描いた一点をご紹介いたします。
歌川広重《市中繁栄七夕祭》
安政4(1857)年
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青竹にくくりつけられた吹き流しや短冊が風に揺れる、現代の私たちにもなじみ深い七夕の光景を描いた図です。
「名所江戸百景」の出版が始まる前年の安政2(1855)年10月、江戸を大地震が襲いました。江戸のまちは壊滅的な被害を受けましたが、しかし広重は地震で壊滅した江戸ではなく、復興後の姿を描きました。
本図は、まちが元の姿を取り戻し、人々が再び年中行事を行えるようになったことを祝うような図です。
名所江戸百景の中には、江戸のまちが震災から復興していく様子を伝える図が見られます。
来週からは、震災との関連が指摘されている図や、いつかくる災害に備えるまちと人々の姿が描かれた作品を紹介します。(山田)