小樽芸術村 OTARU ART BASE

お知らせ

2021/03/06

【今週の1点】葛飾北斎《菊慈童図》

今週は、トピック展「葛飾北斎特集」に出品中の肉筆画をご紹介します。

葛飾北斎《菊慈童図》
文化2年(1805)頃
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「菊慈童」は、深山に流罪となった慈童という少年が、経典の言葉を写した菊の葉の露を飲み不老不死となった、という中国の説話。日本では能や歌舞伎で演じられ、絵画にも多く描かれました。長く伸びた髪や足の爪が深山で暮らした歳月を物語ります。右下に「九々蜃北斎画」とあり、「葛飾北斎」と号する直前、数え46歳ころの作品とみられます。「九々蜃」の読み方は不明ですが、「『貧しい生活にきゅうきゅうとするさま』を表した戯号では」という説もあるそうです。(磯崎)

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