今週は、新たに収蔵した葛飾北斎の肉筆美人画を紹介します。
※ 本作は、3月4日より似鳥美術館2階で開催するトピック展「葛飾北斎特集」で公開いたします。
葛飾 北斎(1760~1849)
《詠歌美人図》文化7年(1810)~文政2年(1819)頃
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近年出現した北斎の肉筆美人画。文机を前に筆先を口に含ませ、何やらしたためようとしている遊女の姿を描いています。
画面上部に貼り付けられた色紙形には、柿本人麻呂の作とされる和歌「ほのぼのと あかしのうらの朝きりに 嶋かくれゆく舟をしそおもふ」が記されています。
陰影の施された扇子や紙、着物の柄や髪の毛の1本1本まで精緻に描写されており、その色彩は制作から200年の時を経た今もなお鮮やか。ぜひ間近でご覧ください。(磯崎)