今週は、このたび新たに小樽芸術村に収蔵された高村光雲《天女》をご紹介します。
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高村光雲《天女》
1929(昭和4)年
光雲が晩年に手がけた作品。本作が制作された頃、すでに光雲は東京美術学校(現・東京藝術大学)名誉教授の称号を受けるなどし、彫刻界の重鎮といえる存在でした。左手に羽衣を抱えた天女の自然な体の動きや、流れるような衣服の質感、柔和な表情などに円熟した技が見て取れます。 底部には「髙邨光雲刻」と刻まれており、「邨」の字が使われていることから、門弟の手が加えられていない個人制作品の可能性が高いと考えられます。(金澤)