髙村光雲
1852(嘉永5)~1934(昭和9)
《木彫魚籃観世音》(もくちょうぎょらんかんぜおん) 昭和9(1934)年
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観音菩薩が33の姿に変化して人々を救済するという仏教の教え「三十三観音」のうちのひとつ、「魚籃観世音」の姿をあらわした作品。求婚者たちに経文の暗誦を結婚の条件として求めた魚売りの美女が、実は観音菩薩の化身であったという中国の故事に基づいています。
作者・髙村光雲は、幕末期の江戸に生まれました。12歳のころ、仏師・髙村東雲に丁稚奉公し、腕を磨いた生粋の職人です。細かな彫りで網目まで再現されたかごや、衣服の流れるような衣文の表現に、そうした光雲の職人技が光っています。(山田)