黒田清輝《裸婦》 制作年不詳 画像が表示されない方はこちら
黒田清輝(1866-1924)は、明治以降、本格的に移入された西欧の油彩画を日本に根付かせたパイオニアの一人。1880-90年代のフランスに留学した黒田は、当時の美術界に新風を起こした「印象派」の影響も受けていた伝統派の画家ラファエル・コランに学びます。帰国後は、明るい外光表現による清新な画風で人物や風景を描き、日本画壇に新しい表現をもたらしました。この絵は、留学中の黒田が伝統的な裸体像を学んでいた頃の作品でしょうか。まだ人体表現にぎこちなさを感じますが、西洋絵画に真摯に向き合う若き黒田の貴重な足跡を示す作品です。(佐藤)