開幕を延期中の浮世絵展に出品を予定している作品の中から、端午の節句にちなんだ作品をご紹介します。
喜多川歌麿《山姥と金太郎 頬ずり》
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五月人形に作られる金太郎には、子どもの健やかな成長を願う気持ちが込められています。
本作の金太郎も、むちむちした体は健康そうで、引き締まった口元には勇ましさが感じられます。
山姥は恐ろしい老婆ではなく若い母親として描かれ、頬も指先も白くやわらか。
美人大首絵で一世を風靡(ふうび)した歌麿は、山姥と金太郎も含め、
無邪気な子を慈しむ母の愛に満ちた母子像も多数手がけています。
【おまけ】
こちらは北斎の描いた《鐘馗(しょうき)》(『北斎画譜』より)。
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鐘馗は、中国の神様で、疫病神を追い払い、魔を除くといいます。
端午の節句に飾られるのぼりに描かれたり、五月人形に作られたりします。
本作は出品の予定はございませんが、
流行中のウイルスも追い払ってもらえるよう、願いを込めて。(磯崎)