ステンドグラスにはいくつかの役割があります。
文字の読めない人たちも、描かれている絵をみて、
聖書の登場人物や物語などを知ることができるということもそのひとつです。
今日ご紹介するのは、ステンドグラス美術館(旧高橋倉庫)にある《慈善》という作品です。
人が行うべき「善き行い」が描かれています。
子どもたちに囲まれてひときわ大きく描かれている女性は、
聖母マリアとしばしば間違われますが、「慈善」を象徴している婦人像です。
それを囲むように、
- 「飢えていたときには食べさせ」
- 「のどが渇いていたときに飲ませ」
- 「道に迷えば招き入れてくれる」
- 「病気のときには見舞い」
- 「裸のときに着せ」
という場面が図像化されています。
おそらくこのパネルを見ながら「善き行いをしましょう」と教会で教えていたのでしょうね。
ガラスに絵を描き、それを窓にすることで、
文字が読めなくても、どういった場面が描かれているのかわかるステンドグラス。
きれいなだけではないところも魅力です。(菅原)