日本画・洋画・木彫などたくさんの作品が新たに展示に加わりました。
そこで、この度の新展示作品のうち特にみなさまにご注目いただきたい作品を、
連載形式でご紹介します。
3回目となる今回は、3F展示室からこちらの作品。
.jpg)
佐伯 祐三《オワーズ河周辺風景》
1924年頃、油彩・キャンバス、64.6×80.4cm30歳という若さでこの世を去った、夭折の画家として知られる佐伯祐三。
似鳥美術館では初収蔵となります。
佐伯は東京美術学校を卒業後フランスに渡ります。
その滞仏時、里見勝蔵に同行し画家・ヴラマンクに自作を見てもらうのですが、
「アカデミック」と叱咤されてしまいます。
衝撃を受けた佐伯は、これまでの自らの画風を激しく否定し、
画家としてのあり方を模索します。
そして、素早い筆致でダイナミックに風景を描く作風に変化していくのです。
本作はちょうどその変化の時期にあたる1924年頃に描かれた作品で、
第一次滞仏時代の画業を知る上で重要な作品のひとつといえるでしょう。
また、この作品、実は裏面に佐伯祐三《教会》が描かれています。
展示室では両作品をご覧いただけますので、ぜひお見逃しなく。
次回は、高村光雲の新収蔵作品をご紹介します。
みなさまのお越しを、心よりお待ちしております。