2020/08/22
【今週の1点】児島善三郎《ミモザと百合 その他》
児島善三郎(1893-1962) 《ミモザと百合 その他》1954年 画像が表示されない場合はこちら
色とりどりの花々が溢れんばかりの花瓶。鮮やかな黄色のミモザを基調に赤いカーネーションや白い百合、黄色い水仙が美しさを競い合っています。テーブルクロスでしょうか、花瓶の下にある敷物まで、花々に負けじと画面に華やかさを添えています。
作者の児島善三郎は、1910~60年代(大正末期~昭和期)に活躍した洋画家。独学で油彩画を学び、20年代にはパリに留学してアンドレ・ドランらの古典主義的な画風の影響を受けました。一見賑やか過ぎるようにも思える花々や敷物が、装飾的なモチーフとしてまとまって一つの画面を構成しているのは、西欧に学んだ古典主義的な構成感覚と日本的な装飾感覚が巧みに調和しているからでしょう。(佐藤)