小樽芸術村 OTARU ART BASE

お知らせ

2020/06/01

おうちで楽しむ小樽芸術村 第24回 鑑賞のヒント①キラッとする

美術館が再開し、印刷物などでは伝えきれない作品の魅力を間近に味わっていただくことができるようになりました。作品のきらめきはそのひとつです。

たとえば、現在、旧三井銀行小樽支店で開催中の浮世絵展で展示中の東洲斎写楽《四代目岩井半四郎の乳人重の井》の背景は、画像(表示されない方はこちら)で見るとただの灰色ですが、実物は見る角度によってキラっとします。これは、「雲母摺り(きらずり)」という技法が用いられているため。糊や膠で定着させた雲母や貝殻の粉が乱反射して真珠のように輝き、豪華な印象を与えます。

このきらめきは、膝を曲げ伸ばしするスクワットのような動きで、視点の位置を変えながら作品をご覧いただくと発見しやすいです。

そしてこの見方は、日本画を見るときにもおすすめです。特に、似鳥美術館4階で展示中の横山操《朱富士》は、金色にたなびく雲や赤い山肌がきらきらと輝いて、朝陽のまぶしささえ感じられるようです。周りの状況を確認しながら、ぜひお試しください。(磯崎)

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本連載「おうちで楽しむ小樽芸術村」は、6月いっぱい継続することといたしました。コレクションの紹介を中心に、鑑賞のヒントや折々の芸術村の様子をお伝えして参ります。お付き合いいただけましたら幸いです。

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